CLICK HERE FOR THOUSANDS OF FREE BLOGGER TEMPLATES »

「郷に入りても郷に従えない」とき


 一般にハワイの人々は、その穏やかな気候のためか、のんびりとした気質があるように言われます。実際ハワイに住んでいる私にとっても、それはよく感じられるもので、多くのハワイの人々が気さくで、ぎすぎすせず開放的な方々が多いように思われます。

 とはいえ、時にはそれが不快に思える場合もあります。題名にあるように、今回はハワイに住む者として感じる、より生活に密着した話になるかと思います。もちろんいつものブログようにハワイにこれから来られる方にも、参考になる点もあるかと思います。

 以前、家の中で妻シャノンがコードか何かにつまづき右手首を床に強く打ってしまったことがありました。全体重を不意に右手首にかかったものですから、彼女は大きな声で泣き叫び、右手をかばうようにしてうづくまっています。すぐさま私は氷を濡らしたタオルで包みあてがいますが、彼女は涙をぽろぽろ落としながら泣き続けます。今まで見たこともないような泣き方で、これは骨折か脱臼したかも知れぬと思い、「病院に行こう!」を言いますが「NO!」の一点張り。これくらいは大丈夫と頭では認識していても痛みは尋常ではないらしく、言葉とは裏腹に本当に痛がっています。業を煮やした私は、それではとコンビニへ。その時シップや包帯等がありませんで、近くのコンビニでそれらを売っているのを思い出し、「すぐ戻るから待っててくれな!」と全速力で向かいました。

 間もなくコンビニに着きますと、シップ等が置いてありましたので、必要と思われるものを全て抱えレジへ。しかしここで問題がありました。レジ前には5,6人の人が並んでいました。こちらは妻の痛みを少しでも和らげてやりたい思いで一杯で、釣りなどいらぬから、金を置き今すぐにでも家に舞い戻りたいのですが、そうもいきません。いらいらしながら並ぶことにしました。

 すると数人先の客が、レジの店員と何やら楽しげに会話をしています。その客はすでに買い物を済ませ、袋を持ちながらもレジの店員と楽しげに会話をしています。普段ならばハワイでよくある風景として、むしろ微笑ましいくらいですが、その時は特別です。痛みに苦しむ妻が家で私の帰りを待っていると思うと、彼らの世間話は私にとって無駄以外の何物でもありません。少し前で待つ日本人の客は舌打ちをしています。私は一刻を争うような状況です。普段余程の事では怒らない私でも、堪忍袋の緒が切れた私は、英語でこう一喝しました。

 「いい加減にしろお前ら!妻が怪我して帰りを待ってるんだ!チンタラするな!」
と大声で言いますと、客はすごすごと去り、店員は半ばびっくりしたかのように「すみません」、と仕事に戻りました。そしてさっさと会計を済まし、家に走って戻り妻に処置をしたものでした。

 のんびりとマイぺースなハワイ人らしい性格は通常気分がいいものですが、場合によりそうとは限らない時もあります。また一部ですが、日本人は何も言わない、意思表示をしないので楽、いいカモだと考える人も世界にはいるようです。ですから、決してそうではないのだと私のように「かまし」を入れる場合も時には必要かもしれません。通常考えて明らかにおかしい場合はこちらから意志表示する事も必要ですね。それは英語でなくとも日本語でも構わず、とにかくおかしいと思えば言うことも必要ですね。

 日本のコンビニでは、混んでいたら「お待ちのお客様こちらへどうぞ」と促されるものですが、レジが1つでのんびり気質のハワイの場合、どんな場合でもとにかく待つのが常識の嫌いがあります。
レストランでも同じです。他の客と話し続けて注文も水も持ってこない店員も時にはいます。それはハワイに限らずどの外国でも当てはまるかもしれません。それらを「郷に入りては郷に従え」と取るか「怠惰」と取るか、その人次第でしょうが、日本生まれ日本育ち、しかも時は金なりのような仕事を長年し続けた私にとっては、郷に従えない状況にもなります。

 ある程度は我慢したとしても、おかしいと思えばどんどん意志表示することも必要ですね。もしこれからハワイや外国に旅行される方は、とりあえず「郷に入り」て、おかしいと思えば意志表示をされてもいいかと思います。よりよいご旅行をされるためにも、100%受身になる必要はないと思います。これらを踏まえて、皆さんがより楽しいハワイ旅行を満喫していただければ、と思います。