特にハワイの若者ではその傾向が顕著でして、社会人になる前、または高校卒業と同時にすぐハワイを離れ、アメリカ本土に移住し、本土の都市部で安定した生活基盤を築きたいと考えています。またアメリカ本土から、定年退職者が温暖なハワイで老後を過ごそうと移住されますが、やはりそこでも問題があり、「ハワイの住宅費、交通費、光熱費、そして税金と全てがアメリカ本土より高いため生活が苦しい」と叫ばれます。さらに言うと、ハワイには製造業がないため、それに係る大企業進出がありません。そのためいつまで経っても観光業しか主だった産業がなく、サイパンやタヒチ等他の人気観光地に押され観光収入は安定せず、農業といえば壊滅状態。そのうえハワイでの賃金は税金などの支出に比べるととても安い、と否定的要素が高いのですね。
これら状況は、確かにハワイに住んでいますと感じることができます。主産業である観光業が、もし何らかの原因(津波や地震等の天災、大事件発生)等でイメージダウンでもすれば、観光収入に直撃します。不安定な面は否めません。
そしてハワイの優秀な若者はよりよい新天地を求めアメリカ本土に流れていく。
ハワイの自然、気候は素晴らしいのですが、実際長期にわたり住むとなると問題がたくさん出てくるわけですね。こうした事はハワイに限らず、どの国、地域でも住むための何らかの問題があると思いますが、美しいハワイが今後衰退していくのではないかと危惧するのは悲しいことです。
そのために、今ハワイ住民、政府、主要業界首脳などにより、今後のよりよいハワイのために何ができるか、会議を開き、関連法案を作成するなど動きが活発化してきています。私もハワイ住民として、よりよいハワイのためできることがあればぜひ協力したいと考えています。
ハワイに移住をお考えの方は、実際住むにあたって、税金や医療制度等も含め、収入と支出の具体的な計画を検討されることが非常に重要となると思いますので、専門家に事前にお聞きされたりなどしてよくお調べになることをお勧めします。